<今こそ人とのつながりを!>フードバンクかながわの取り組みを学ぶ
5月17日。ネット・青葉では「フードバンクかながわの取り組みを聞く」オンライン・ミニフォーラムを開催しました。
新型コロナウィルス感染症拡大防止の対策として、今回はzoomアプリを活用したオンライン上での開催となりましたが、約40人の参加がありました。
公益社団法人「フードバンクかながわ」は、2018年3月11日に県内の非営利協同12団体により設立されました。
事務局の荻原妙子さんより、これまでの取り組みと今後の課題についてのお話がありました。
・2020年3月3日。新型コロナウィルス感染防止対策の一環として、県内の小・中・高・特別支援学校の休校措置を受け、給食をなくした子どもたちや父・母子家庭、生活困窮者が受ける、食の深刻な影響を考慮し、国の支援を待たずして、いち早く民間団体となる子ども食堂やフードバンク団体が、市の窓口や社協の要請を受けて食の支援に動いた。
・子ども食堂では食堂の開催が出来なくなり、活動休止を余儀なくされたが、弁当配付や食品提供に切り替えた団体も多い。
また食の支援に留まらず、コロナ感染者への支援として買い物の代行や、こどもの居場所提供を実施し、昼食だけでなく、朝・夕食が必要な子どもを受け入れている団体もある。
・今年3月までの約3か月間で、寄贈・提供品の受け入れ実績は、2018年対比で約2倍増となった。
現状、フードロスの削減対策の気運もあり食料の集まりは良いが、ニーズとしては缶詰やレトルトといった、インスタント食品やお米の提供リクエストが急激に増加している。
「フードバンクかながわ」では、他のフードバンクと比べると米の供給は安定しているものの、精米が追い付かないほどのニーズがある。
・個人および各地のフードドライブ実施団体より寄付された食料や、農家・企業から運び込まれる食材や飲料を受け入れ、支援を必要とする生活困窮者等に、県内のフードバンク拠点や非営利団体を通じて適切に配るシステムを確立するため、社協や市の窓口を通じて活動をしており、所属する9拠点のフードバンクへ食料を送り、そこに地域の団体が受け取りに行くシステムだが、個人からの問い合わせも増えており、その都度社協や市の相談窓口につなげている。
・現在直面している課題は、急増する困窮者へ食料を届けるための物流コストの増加や、ボランティアの不足などがあげられる。
地域で回収する”フードドライブ”や、回収された食料を保管する”フードバンク”拠点を増やすだけでなく、無料で食料を配布する場所を提供する”フードパントリー”という、地域主体の取り組みを拡充させることにより、ボランティア不足の解消や、食料を必要とする身近な人へすみやかに届けることが容易に実現出来ると考えている。
特定非営利活動法人「ピッピ・親子サポートネット」理事長の友澤ゆみ子さんからは、フードドライブの拠点として、7箇所の事業所を活用した取り組み報告がありました。
2019年正月からフードバンク活動をスタート。のぼりを立てることで地域や送迎保護者に取り組みをアピールし、お歳暮やお中元など食料が手元に集まりやすい時期に合わせて実施するなど、フードバンクや生活困窮者との関わりや、地域に住み暮らすひととのつながり、開設における工夫などのお話がありました。
認定NPO法人「WE21ジャパン青葉」代表の伊藤まりさんからは、昨年フードドライブを実施した際には、100キロほどの食品が集まった。青葉区は貧困が見えにくい地域でありながら需要は確実にあるとのお話がありました。
NPO法人「スペースナナ」代表の柴田暁子さんからは、コミュニティカフェやナナ食堂(子どもに限らない地域食堂)が開催できない状況が続いているが、現在週に2日開店し、店頭でフェアトレード商品や手作りマスクなどの物品販売を再開した。今後は地域から食材の寄付を募るなど、支援検討のお話がありました。
「横浜北生活クラブ」常務の五十嵐ひろみさんからは、フードドライブ拠点として、今後はデポーも活用し、地域とのつながりを広めたいというお話がありました。
荻原さんからは、「現在の食料提供元は、企業のみならず、マスコミ等の影響により個人や地域の団体からの提供も大幅に増加しているが、今回の緊急事態の影響が収束したのち、この重要な取り組みが人々から忘れられてしまうのではないか不安を感じる。」というお話もありました。
ネット・青葉では、今後も地域で食の提供と安全への取り組みを続ける団体と連携し、子どもや生活困窮者に寄り添い守る活動を続けていきます。
※ご案内※
■新型コロナ対応緊急助成と寄付の募集■
公益財団かながわ生き活き市民基金(フードバンクかながわ構成団体)では、新型コロナ対応の緊急助成プログラムを行っています。
対象は
・地域のフードバンクによる食支援活動
・子ども食堂・地域食堂等による食支援活動
・子どもを持つ親を対象とした相談活動 など
総額 第1期200万円 申請上限10万円です。
また第2期に備えて寄付募集(目標200万円)も行っています。
詳細は「公益財団かながわ生き活き市民基金HP」へ。
URL : http://www.lively-fund.sakura.ne.jp