カジノを含むIR誘致とギャンブル依存症を考える〜鈴木伸さん講演会〜

上段(左)篠崎みさ子さん(中央)青木マキ前市議(右)鈴木伸さん

1月24日。オルタナティブ生活館にて、生活クラブ生協・神奈川と、生活クラブ運動グループ・横浜未来アクションによる、連続講座の第2回目に参加しました。前回につづき、今回もほぼ満席です。

まず、篠崎みさ子さん(横浜みなみ生活クラブ生協理事長)より、「世界一基準の厳しいカジノを作ると言われても、ギャンブル依存症患者を増やしかねない、カジノを作るという発想自体がおかしいと思っている。苦しむ依存症患者に、励まし寄り添う先生のお話を聞きながら、カジノ誘致を許してはいけない!という思いを強くしてもらい、一緒に活動を進められたら良いなと思います。」とお話がありました。

次に、青木マキ前市議(横浜未来アクション事務局長)より、「横浜市がすすめるカジノを含むIR誘致とは」というテーマのもと、これまでのカジノ・IR誘致の経緯や、前回の講座内容もなぞらえながら、直接請求の仕組みや、横浜市のみならず国の基本方針に至るまで言及し、カジノ誘致の進め方への問題提起をしました。

そして今回の講師は、鈴木伸さん(精神科医/ことぶき共同診療所所長)。「ギャンブル依存症そしてカジノ」というテーマで、カジノを含むギャンブルにおいて、世界的に依存症患者が増えている問題を、実例を交えてお話をうかがいました。

ことぶき共同診療所付近にある、横浜市中区寿町は、町内の面積0.06km2に対し、約5700人が暮らしており、65歳以上の高齢者が約半数を占める地域で、その多くは日雇い労働者やホームレスなどの生活困窮者が占めています。
そのうち、診療所に通う患者は、ギャンブル依存症が約1割、そのほかはアルコールや薬物依存症の患者が占めており、身近な問題として、ギャンブル依存症の深刻さを看つづけておられます。

ギャンブル依存症とは、「ギャンブルにのめりこむことで、日常生活または社会生活に支障をきたしている状態のこと」を指し、ギャンブル依存症は機能障害のひとつであり、脳の働きに異常がみられるものの、現在の医療や薬だけでは治せないそうです。

またギャンブル依存症は、数年を掛けて進行していく病気であり、身体に異常が出ないため、本人が自覚するまで治療に結び付かず、潜在的には一番多いとされる若い世代の治療が遅れてしまう難しさがあるそうです。
そして、依存症が重度に進むにつれ、親兄弟や配偶者、子供や友人。会社に至るまで、借金や育児放棄、DVや横領等、昨今のニュースで見かけるような犯罪が多発し、その人の関わりがある周囲への影響が、深刻になっていきます。
またギャンブル依存症は、合併症としてアルコール依存症や病的窃盗などを引き起こすことも少なくないそうです。

世界規模でデータを見ると、「ギャンブル障害の生涯有病割合」は約320万人にものぼり、うち日本は、ラスベガスを有するアメリカの約6.5倍にのぼるそうです。その理由は、世界の58%を占める「ギャンブル用の電子的ゲーム機械(パチンコやスロット)」国内設置店の多さにあるといいます。

ギャンブル依存症の治療は、本人のみの通院では難しく、自助グループへの参加や家族の協力が不可欠となるそうです。市長は「ギャンブル依存症はリセットしたら良い。」と言いますが、実情を知るとそう簡単ではない事がよく分かります。
ちなみに、ギャンブル依存症の自助グループ(GA:ギャンブルアノニマス)が、日本で初めて出来たのは、横浜市だそうです。

驚くことに、「カジノが与える影響として、ギャンブル依存症が増える」ことは、カジノ誘致の推進派の議員でさえ認めているところです。
カジノが出来ると、依存症に陥るプレイヤーは1〜2%。もし1000万人いたなら、新たに10〜20万人もの人が、依存症を発症する試算となるそうです。

講演の最後には、「とても楽しい娯楽商業施設(IR)が出来るとしても、その中のカジノにより、100人に1人の人生が、その家族が、ギャンブルにのみこまれていく。」と締めくくられました。

依存症は、その人の人生を大きく狂わせて、一生の戦いとなる病です。とても身近な問題として、自分は大丈夫か?家族は?友人は?と、改めて考えさせられるお話でした。

「生活運動グループ・横浜未来アクション」では、これまで各区で開催されている、横浜市長による市民説明会での発言全容を、忠実に文字起こしされています。ぜひご一読ください。
https://m.facebook.com/yokohama.action/

そして、IR(統合型リゾート)市民説明会が、いよいよ青葉区でも3月6日に開催決定しました!
※市民説明会の参加申し込みは、2月3日9:00~2月17日17:00まで。
お申し込み先:横浜市都市整備局IR推進室IR推進課

さて、残すところあと1回となりました、連続講座第3回目の講座は、
「ハーバーリゾート構想を知る」
日時:2月12日(水曜日)10:00~12:00
場所:オルタナティブ生活館(スペースオルタB1スペースオルタ)
講師:水上裕之さん(横浜ハーバーリゾート協会/横浜港運協会常務理事)
お申込みは、ネット・青葉まで。
net-aoba@nifty.com

ぜひ、皆さまお誘い合わせの上、おおぜいの方のご参加をお待ちしています!