困窮する若者、ブラック企業の実態を明らかにすべき

24日、反貧困ネットワーク神奈川主催の学習会に参加しNPO法人posse の今野晴貴さんのお話を伺いました。Posseは、労働相談活動や都内3000人アンケート調査などを通じ、過重労働やパワハラなどブラック企業の実態を明らかにするとともに、さまざまな提言活動に取組まれています。

 今野さんからは、必要とされる何倍もの新卒者を正社員として入社させ、必要と思われる社員以外は1年以内に組織的に自己都合退社に追い込むなど、大量離職を見越した大量採用を繰り返したり、「固定残業代制度」を導入し基本給を高く見せるなど、一般常識からはかけ離れた企業独自の労務管理を行っている事例が紹介されました。
 正規雇用を望む若者はぎりぎりまで頑張ります。休日も返上して働くため、他者への相談や受診もできないまま精神疾患になり退社せざるを得なくなるという事例も多いそうです。
 企業の都合で使い捨てにされた若者が受けるダメージは大きく、再び仕事につくことが難しい傾向にあり、孤立化し生活に困窮し生活保護に至るケースは少なくないとの事です。本来、働ける世代がこうした状況に追いこまれている状況は許しがたく、当事者や家族にとってはとても辛いことです。同時に、経済や自治体財政にも影響を与える問題です。
 今年3月に県が民間団体と開催した『生活困窮者自立支援法』の学習会に参加した際、参加者の一人の若者が、「私は、このモデル事業で生活を立て直しました」と、ご自身の経験を話されました。働けない、働き続けられないということは、誰にでも起こりうることであり、個人の責任に留まらない要因も多く、困窮者の自立支援という問題の中にある労働問題、若者を使い捨てにする企業の実態や課題を明らかにしていく必要があります。引き続き、事例に学び政策提言に取組みます。