安倍政権下で亡くなった松岡元農林水産大臣は、農水省の補助金で工事を行っている業界の政治団体から多額の献金を受けていました。その後の赤城元大臣、遠藤元大臣も事務所費問題、所属団体の補助金水増し請求問題や不正献金の発覚で辞任しています。
また、福田内閣の閣僚や国会議員が脱税で税務調査を受けている企業や、数年間累積赤字を出している企業、国の公共事業を請け負っている企業から献金を受けていることが明らかになりました。これらはすべて政治資金規正法等の違反です。こうした事件は、市民の怒りと政治不信を増大させており、一刻も早く根本的な解決策を講じる必要があります。
このように繰り返される「政治とお金」の事件に歯止めをかけ、市民の政治への信頼を取り戻すためには、政官業の癒着構造を断ち切ること、その根本的な解決策として、企業・団体献金の完全廃止が必要です。
企業・団体献金については、その廃止を前提に、国民1人当たり250円の税金を政党に拠出するという政党助成金制度が1994年創設されました。しかし、経過措置後の2000年に廃止されたのは政治家個人のみで政党への企業・団体献金は残されたままです。現在政党は、政党助成金と企業・団体献金の両方を得ることができるようになっており、改革の趣旨をないがしろにしています。
民主主義社会では、政治活動に要する経費はそれを支持する個人が拠出する政治献金によってまかなわれるのが望ましいと考えます。市民が政治に寄付することを後押しする制度として、所得税控除のしくみがありますが、現在制度の対象となっているのは、政令市以上の議員・首長(候補者)の政治団体のみで、最も身近な一般市町村の議員・首長(候補者)には認められていません。市民の政治への意志を保障する制度として、すべての政治活動への個人寄付に対する税の優遇制度の確立が必要です。
市民の政治への信頼を取り戻し、一人ひとりの市民の意志に基づいた政治を拡げるため以下請願します。
【請願項目】
1.政治資金規正法を改正し、企業・団体献金を完全廃止する。
2.租税特別措置法を改正し、政治活動を支持するすべての個人寄付に対し税の優遇制度を設ける。