今回、見学先に選んだのは、区内でも豪華だといわれている南欧風のレストランつきグループホーム、高齢者福祉では草分け的な存在の特別養護老人ホーム「緑の郷」、そして、今後「地域包括支援センター」としてどのような機能を果たすのか気になるもえぎ野地域ケアプラザ。
今回、見学してみて対照的だったのは、グループホームと特別養護老人ホーム。当たり前のことですが、施設規模によって生活空間や人との距離があって、それぞれ自分にあった施設を選ぶことができることが大事だということです。
グループホームは、3ユニット、27人定員の施設です。入居金は約200万円、月々の経費が約30万円で、アニマルセラピーやアロマテラピー、きめ細かいケアプランを毎月立てて、どんどん見直すとのこと。社会的に地位が高く、高収入だった人たちをターゲットにしています。費用はかかるが、施設に入ることに劣等感をもつのではなくステイタスであると家族も本人も思えるような施設をめざしています。
一方、特別養護老人ホームでは、現在、3フロアに100人の入居者の大規模な施設です。現在、国の方針で入居施設は個室化がすすんでいますが、この施設は、その流れの前に立てられた施設で、基本は4人部屋です。自立度の高い人たちの部屋では、それぞれの「個」の空間をどのように持つかを工夫し、一方で、認知症の進んだ方たちについては、個室は、「寝るだけ」の空間。日中は、原則として全員、共有スペースで過ごしますが、これも、いくつかの変化のある空間に分かれるようにしています。
案内してくれた担当者の方は、この施設は古くて、ハード的には何もお見せすることはないのです、ということでした。しかし福祉サービスは、まずは「人」、そしていかにオープンにしているかが大事だということを実感させられる施設でした。出会ったスタッフの方たちから、直感的に受け取る印象は、高齢者福祉の草分け的存在として研修を受け入れ、いつも人が出入りして開放してきた施設だからこそ培ってきた福祉の質への自信を感じました。当日は、近くの教会から中高生が掃除と話相手のボランティアに来ていました。
この施設見学を通じて、私たちは、介護保険制度によって「選べる福祉」を、まずは、実現したのだということを実感しました。しかし、今回の改正は、これを進めることになるのか、制度を決めた人たちの責任が問われます。
あおばマイケアプランをつくる会 友沢ゆみ子
☆次回のマイケアプラン学習会では、実際にケアプランを立てて見ます。ぜひ、関心のある方、ご参加ください