教育行政のゆがみを押し付けられる子どもたち

〜養護学校高等部の入学選抜問題

神奈川県内の養護学校高等部は、ここ数年希望者が増加し、定員オーバーの状態が続いています。2006年度の受け入れにあたっては、抽選による入学選抜を導入するという方向性が示され、知的障がい児を抱える親の方たちから、不安を訴える声が上がっています。
ネット青葉では、この問題を当事者(親)の方たちと一緒に考えたいと、ミニフォーラムを重ねてきました。

<当事者からのメッセージ>
今、養護学校の生徒が定員数を大幅に上回り、その苦肉の策として高等部への入学は抽選選抜を行うという施策が行われようとしています。県の教育委員会は養護学校の生徒数が増えてきた理由として 1.救命率が向上した 2.各地域に養護学校が作られ、それぞれの地域の子ども達が養護学校へ進学しても地域の中で育つ期待が持てるようになった 3.養護学校での個に応じた教育内容を当事者や保護者が求めるようになったと、説明しました。

確かにこの理由は一理あるのかもしれません。けれど、「うまくいかないことを当事者や保護者を起因にする」視点を感じます。救命率があがり、重度の障がいをもっても生きていくことができるようになってきたことは、以前からわかっていたことです。医療の進歩に伴った喜ぶべきこの傾向について、行政はなぜきちんと手を打ってこなかったのかと、素朴に疑問を感じます。

また、従来は地域の学校で学んでいた軽度の発達障害の子ども達が養護学校を選択するケースが増えてきているという点については、裏返せば地域の学校が、障がいのある子ども達をきちんと受け入れることができなくなってきたという事実の現われではないでしょうか。財源も、人的資源も限られていることはじゅうぶん承知しています。それならばなおのこと、どんな子でも地域の学校で学べる方策を検討することに英知を傾けてほしいのです。抽選にもれた子ども達の居場所はどこにあるというのでしょう。教育行政のゆがみを押し付けられるのは、いつもいつも障がいのある子どもたちなのです。   吉田朋子